本を読むデモクラシー―“読者大衆”の出現 (世界史の鏡 情報)

刀水書房2008-03 ¥0
讀了:  人文・思想

[投稿日] 2009年10月29日

淺い。さういふ讀者設定なのか?
 フランスで瓦版に當るものはカナール canardとも呼ばれ、p.90以下に取り上げてゐるが、しかしそこで「「カナール」という名前自体、一九世紀になって付けられた蔑称」(97ページ)とするのは疑義あり、平井隆太郎「噂の病態――「新聞の鴨」について」(平凡社『月刊百科』一九八二年二月號「特集 噂」)はドイツの新聞學者に據って十六世紀から見られる用法としてゐた。canard(鴨)の語源説も、宮下が紹介するものより平井が述べるグリムの辭書の説の方がドイツ語Zeitungsente(新聞アヒル=誤報、虚報)との對照も含めて説得力があるやうに見受けるがどうか。

目次 http://www.tousuishobou.com/sekaishinokagami/503-9.htm

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