明治大正言論資料 (20) 明治新聞雑誌関係者略伝

みすず書房1985-11 ¥8,100
購入: 2009-00-00 ¥5250
未読 社会・政治

[投稿日] 2009年10月29日

 『明治新聞雑誌関係者略伝』、奮發してやっと買ったが……早まったか。條野採菊(山々亭有人)みたいな初期新聞界の著名な人が立項されてないのは案外だ。それよりも有名人の項を見ると、なほ失望する。西田長壽はなぜこんなに遠慮しいしいでないと書かうとしないのだらう。しかしこの人名事典の本領は、他では引けない無名の人を拾へることにあるから、使ひこなすにはこちらに素養が要るだらう。その手懸りとクロス・レファレンスのためには、やはり索引つけてくれなくては。

http://www.msz.co.jp/book/detail/00950.html

光芒の大正―川内まごころ文学館蔵 山本實彦関係書簡集

思文閣出版2009-02-28 ¥5,400
讀了: 2009-00-00 ノンフィクション

[投稿日] 2009年10月29日

退屈。發見無し。

目次 http://www.shibunkaku.co.jp/shuppan/shosai.php?code=9784784214594

読売雑譚集―明治十四年一月‐十七年十一月

ぺりかん社2000-03 ¥4,968
讀了: 2009-00-00 文学・評論

[投稿日] 2009年10月29日

 それぁ別號調べも一往すべきことではあるが、どうして柳北執筆分に限定して抽出したがるのかなあ。雜誌や新聞のコラムは集合知の産物なんだから、雰圍氣を味はふためにも全部載っけて、柳北らしきものだけ註記しておけばいいんだよ。脱亞論は福澤諭吉の書いたものでないとかの、個人全集收録範圍を切り詰める議論と同根だね。それと、これまでの「反近代」的柳北觀を是正して啓蒙主義者の面を強調する山本芳明の解説は穩當なのだらうが、面白くない。いっそ木村毅みたいに柳北は常識的不平家で凡俗の市井人に過ぎないと言ひ切るのだったら、話が彈むのに。

目次 http://www.perikansha.co.jp/Search.cgi?mode=SHOW&code=1000000908

成島柳北研究

ぺりかん社2003-05 ¥5,184
讀了: 2009-00-00 ノンフィクション

[投稿日] 2009年10月29日

 從來の研究が「人物批評」や「作品批判」に留まってゐたので「実態」の解明を行ふと。その言や善し、手堅い歴史學的研究として評價せねばなるまい。が、讀んで面白いものではない。對象が面白くなければ仕方無い? しかし、實態とは、社會活動や政治的影響のことばかりでいいのだらうか。柳北の書くものも文飾を取っ拂って内容だけ忠實に拾ひ上げたら存外常識的で詰まらないが、それでは彼一流の奇文を讀んだことにはなるまい。同樣に、屈折拔きに平板化した敍述で事實を綴らうとした執筆姿勢に問題があるとしたら? 眞面目な研究者に求める方が無理にせよ。