歴史社会学とマックス・ヴェーバー〈上〉歴史社会学の歴史と現在

讀了: 2011-05-16 社会・政治

[投稿日] 2011年5月16日

 佐藤健二「柳田国男の歴史社会学」は既往の讀者にとっては新味無し。田中紀行「現代日本における歴史社会学の特質」の、日本では日本史研究者が社會史を近現代でやらないからその空白を埋める意味で歴史社會學と稱して社會學者が代ってやってしまふといふ指摘(p.170)は、言はれてみれば妙な分業關係ではある。しかしこの『(上)』を見る限りウェーバーは名目だけといふ感じだ。國際會議にありがちな中身薄い寄せ集め。下卷は見送り。

目次 http://honto.jp/netstore/pd-worklist_0602296077.html

思想 2007年 11月号 [雑誌]

岩波書店2007-10-30 ¥1,543
購入: 2011-05-10 ¥0
讀了: 2011-06-12 雑誌

[投稿日] 2011年5月10日

特輯「ソシュール生誕150年」
 期待したほど面白い論文は無かった。部分では得る物があるのだが、物足りない感じで終るのが多い。
 幾つかの論文に共通する點として、「共時」をどう考へ直すかが要所か。

目次 https://www.iwanami.co.jp/shiso/1003/shiso.html

現代思想2007年11月臨時増刊号 総特集=マックス・ウェーバー

青土社2007-11 ¥1,440
購入: 2011-05-10 ¥0
讀了: 2011-06-10 人文・思想

[投稿日] 2011年5月10日

 野口雅弘「信条倫理化する〈保守〉 ウェーバーとマンハイムを手がかりにして」上野俊哉「母のスワン・ソング、息子のデス・ディスコ」がまあまあ。荒川敏彦「殻の中に住むものは誰か 「鉄の檻」的ヴェーバー像からの解放」と三笘利幸「「没価値性」から「職業社会学」へ 尾高邦雄のヴェーバー受容をめぐって」は誤譯批判として心得ておく。

目次 http://www.seidosha.co.jp/index.php?%A5%DE%A5%C3%A5%AF%A5%B9%A1%A6%A5%A6%A5%A7%A1%BC%A5%D0%A1%BC

ニッポンの書評 (光文社新書)

光文社2011-04-15 ¥0
購入: 2011-05-04 ¥0
讀了: 2011-05-05 本・図書館

[投稿日] 2011年5月4日

 こんなに本が好きなのに、自分には興味の無い世界がこれほどあるなんて、書物の世界は廣い廣い。逆に言へば、世間普通の讀者はここにあるやうな本への關心が大半なので、自分が偏り過ぎてゐるのだらうが。著者は書評と評論・批評とを截然と分けてしまってゐるが、書評といふか正確に呼ぶなら現代小説の新刊紹介、サマリーだな、これは。それはそれで藝を磨いてくれればよいけれど、では、さうでない意味での人文書讀みのための書評論は那邊にありや。

http://d.hatena.ne.jp/leeswijzer/20110505/