月刊 しにか 1993年 04月号

大修館書店1993-04-01 ¥750
購入: 2015-05-08 ¥200
未読 語学・辞事典・年鑑

[投稿日] 2015年5月8日

 「特集◉漢和辞典の歩み」、やはり近代が手薄。松井利彦「明治維新と漢語辞書」は未だ現行の「漢和」の體例が成らざる明治初期の前史、江連隆「『康熙字典』と日本の漢和辞典」は「漢和」でなく「漢語辞書」の節に重野安繹ほか監修『漢和大字典』(一九〇三年。江連は「大辞典」と誤記)・榮田猛猪編『大字典』(一九一七年)の二種を擧げるに留まり、望月真澄「漢和辞典の新展開」も明治・大正期は各節觸れる程度のみ。やや小史に代へられる記述に白川静「字通の編集について」(『字書を作る』所收)中「二 従来の字書の編集法について」があり、また阿辻哲次「漢和辞典の歴史」(辞典協会編『日本の辞書の歩み』)中「13 明治・大正の漢和辞典」が白川の言及しない『大字典』に紙幅を割いてゐたが、どうにも國語辭書に比べて近代漢和辭典史は餘りに略述でしかない。批判書も、國語辭典が幾つもあるのに漢和は小原三次編著『本邦六大、中堅『漢和字典』をこきおろす』(モノグラム社、一九七二年十二月、非賣品)切り。山田忠雄『漢和辞典の成立』(一九五八年)でも「成立」後の「明治36年→昭和19年」は卷末で簡短に濟ませたやうで、のち同述『近代國語辭書の歩み その模倣と創意と 上』第一部第二章「漢和辞典の成立と其の超克」(一九八一年七月)に至ってやうやく「厚い記述」が得られる。しかしなぜかこの章が參照された漢和の辭書史を見掛けない。『日本語学』二〇一二年十月號「特集 漢和辞典の新展開」はどうなのだらう。
 特輯記事の外、入谷義高「幻の「支那文学史」」が目を惹く。青木正兒による豫定項目中、斯波六郎擔當の「散文史」「評論史(文)」が成らなかったのは惜しい。
 連載「東洋学の系譜」は矢島文夫「37 前嶋信次」。
 高島俊男「湖辺漫筆24 温公殺すに刃物は要らぬ」は、支那學用語における長篇ならぬ「長編」の意味を説いたもの、のち『ほめそやしたりクサしたり』(大和書房、一九九八年七月)所收。

目次 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/4425952?tocOpened=1

熊楠研究 第9号

南方熊楠研究会2015-03-31 ¥3,000
購入: 2015-05-02 ¥0
未読 人文・思想

[投稿日] 2015年5月2日

 實際の發賣は四月廿三日頃らしい。
 Cf. http://minakuma.exblog.jp/24394705
 九年ぶりの復刊。挾み込み送り状「『熊楠研究9』の送付について」の差出人は「南方熊楠研究会準備委員会」。つまり奧附等には「熊楠研究会編」とあるも同會は正式には未成立と判ぜられる。卷頭「『熊楠研究』の復刊について」は「『熊楠研究』編集委員会」の名義となってゐる。
 「南方熊楠・岡茂雄往復書簡」は、標題には記してないが前半のみで、次號にも續載の由。昭和初年に出版界の一角を占めた岡書院から見た出版史の資料でもある。わからず屋で誤解から猜疑心を起こす南方に懇々と説明する岡の手紙が、自づと當時の出版業界の慣行の記述を成す。

目次 http://www.minakata.org/cnts/kankoubutu/index.cgi?v=54200

赤い鳥 1936年10月號 鈴木三重吉追悼號

赤い鳥社/日本近代文学館1968--- ¥
購入: 2015-05-01 ¥500
未読 文学・評論

[投稿日] 2015年5月1日

 第六十九號/復刊第十二卷第三號、以後休刊。卷末に「附録「赤い鳥」總目次」を載す。
 最終ページ欄外に新刻にて「「赤い鳥」複刻版 日本近代文学館④」とあり、原色表紙も含めた複製版だが、複刻刊年は一九六八年か一九七九年か不明。

月刊島民 中之島 2015年5月号(Vol.82)

月刊島民プレス2015-05-01 ¥0
購入: 2015-05-01 ¥0
未読 本・図書館

[投稿日] 2015年5月1日

 16ページのフリー・ペーパー。特輯「中之島図書館はすごかった。」
 インタビュー記事「ココがすごい/本と人 「書を司る」ということ。」中、「ビジネス支援課/司書 小笠原弘之さん」(p.6)の末尾に曰く――「レファレンスでお受けする質問は、確かにより回答が難しいものが多いです。一方で、図書館や司書の質を向上させることにもなる。開架数を増やして自分で見つけ出してもらうのが図書館の醍醐味ですが、利用者の方から質問されると、その分、図書館の蓄積が増えるのでラッキーだと思っています(笑)」。ここに、『図書館は市民と本・情報を結ぶ』(勁草書房、二〇一五年三月)所收の小林昌樹「「参照」してもらうのがレファレンス・サービス――インダイレクトこそサービスの本態」を讀み合はせれば――就中、その「2.2 「高度レファレンス」は課金が必要か?」で他ならぬ大阪府立圖書館が事例であったことに鑑みれば――、なかなかに意味深。

http://www.nakanoshima-univ.com/about/tomin/
http://www.nakanoshima-univ.com/pdf/tomin_vol82.pdf
http://blog.goo.ne.jp/hanul-palam/e/8d762f90c872bd4999571c949de29a8f

ジュリスト 1968年6月15日号(No.400)「400号記念特集 学説百年史」

有斐閣1968-06-15 ¥500
購入: 2015-05-01 ¥500
未読 社会・政治・法律

[投稿日] 2015年5月1日

 學史早わかりの足しに。
目次 http://www.yuhikaku.co.jp/jurist/detail/014003