集團主義の文藝

青年書房1940-06-15 ¥
購入: 2015-10-09 ¥1500
未読 文学・評論

[投稿日] 2015年10月9日

 目次に無いが卷末に跋文「著者の言葉」あり、なかなか勇んでゐる。曰く、「個人主義文藝と對立し、それを國家主義文藝の中へ發展的に解消せしめるための指導勢力を 形成すべき任務が、集團主義の文藝に課せられてゐる。」(p.463-464)「著者は本年一月「經國文藝の會」に於て陸軍省鈴木少佐の高見に接し、共感を禁じ得なかつた。革新日本に於ける皇軍の不變の推進力(最近の「利潤統制」の如きはその第一歩である)の中に歴史的必然を認識する著者にとつては、集團主義文藝論の勝利は確信中の確信である」(p.464)。明らかにソヴィエト・ロシア産理論に依據したプロレタリア文學盛期の舊論を收めながら特に伏字もなく出版し得たのはこの鈴木庫三への世辭等が煙幕になってお目こぼしされたのではあるまいか、などと邪推したくなってしまふ。

目次 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1071821?tocOpened=1

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