[投稿日] 2016年8月26日
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http://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I000214153-00
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I000275602-00
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I000385037-00
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I000149591-00
發行所は、奧附では「東京精神分析学研究所」、各號表紙下部には「東京精神分析学研究所出版部」。
戰後の合本が古本に出たのは初めて見た。「東京精神分析學研究所編」(正字表記)は合本背文字にのみ記され、奧附では「編集兼発行人 大槻憲二」とのみ。
第31卷第4號の大槻憲二「民間学徒苦闘五十年史(Ⅱ)」が目當て。「先輩のための代筆」の節に「柳田国男先生のために「桃太郎誕生[ママ]」の講演を原稿にまとめて上げて進ぜたことがあったが、同先生は新潮社からの稿料全部を私の方に廻して下さって、その先輩らしい高潔な人格に敬慕の念を新たにした」と。末尾「(未完)」とあれど續稿は見出せない。なほ丁度一年前の30卷4號所載「民間学徒苦闘五十年史(I)」は取るに足らざれば買はず。
31卷2號の不老泉主(大槻憲二)「霜田静志氏の死を悼む」を讀むと、故人を頌するやうでゐて結局自分を持ち上げてをり、己が分析説のみを奉ずる獨善性とそれが對人關係に現れた傲慢さは戰前から變ってないやうだ。