ストイックなコメディアンたち―フローベール、ジョイス、ベケット (転換期を読む)

未来社 / 1998-11刊 / ¥2,052
 /¥0
讀了:  文学・評論

[投稿日] 2009-10-29

 表題からは判りにくいが、マーシャル・マクルーハンの弟子がウォルター・オングに獻げた小著。つまり文學論としてよりも、『グーテンベルグの銀河系』『声の文化と文字の文化』と共に讀まるべき本。メディア論的な精神史とでも言はうか、活字印刷が人間の思考や思想のあり方をどう變へたかがこの本の基底にある關心で、特に第二章のジェームズ・ジョイス論に組み入れられたといふ「書物としての書物」の論が刺戟的だった。活字人間たることを自任する者にとっては、我が事として思ひ當る評言が隨所に見られて、そこが面白い。
 拙文「註(についての註)」に引いた。
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Library/1959/notes/comment.htm

目次 http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624934224