中村幸彦著述集〈第2巻〉近世的表現 (1982年)

中央公論社 / 1982-06刊 / ¥7,020
購入: 2010-06-04  /¥3000
未読 古書

[投稿日] 2010-06-04

 我が關心する圈外文學論を「第二章 俳言とその流れ」に含むも、『中村幸彦著述集 第十五卷』「総索引」の當該項には落とされ第十三卷(「近世圏外文学談」)が採られてゐる。網羅的に拾ひ過ぎた索引が選別に倦ませるからといって取捨が過ぎるのも困りもの。
 月報(第一號)は小西甚一と谷沢永一。小西「中世的表現」は時代區分論として中村へ異見を述べた批判になってゐるのだが、つねづね小西中村兩人を贔屓とする谷澤がいづれを是としたのか、ついぞ兩論を突き合せたものを見ない。 
Cf. http://d.hatena.ne.jp/okjm/20060403/p1

悍 第4号 特集:嗚呼、左翼

白順社 / 2010-05刊 / ¥5,316
購入: 2010-05-16  /¥0
未読 社会・政治

[投稿日] 2010-05-16

 戴きもの。目次中、唯一食指が動く高田里惠子「嗚呼いやなことだ 自虐と倫理」は相變らず達者な筆で讀ませるものの、『グロテスクな教養』で教養主義の「いやったらしさ」を批判したのと結びつけて考へて貰ひたかった。私見では、「自虐」から釀される一種のユーモアを讀み取れるかどうかが高見順評のポイントになる筈で、多分そこが自罰・自責・自己批判等とは違ふのである。

目次 http://www.linelabo.com/han/no004index.htm