芥川と菊池―近世名勝負物語 (1956年)

文藝春秋新社 / 1956刊 / - /
購入: 2011-03-11  /¥100
未読 古書

[投稿日] 2011-03-11

 翌一九五七年十一月自由国民社より『近世名勝負物語』第十二として再刊、一九六一年十二月読売新聞社刊『梢風名勝負物語』第十に「出版の王座」と共に再録。

自由論〈1〉 (1971年)

みすず書房 / 1971刊 / ¥1,080
 /¥0
讀了: 2010-09-20 古書

[投稿日] 2010-09-20

 どうも、著名で古典的でさへある本論「歴史の必然性」「二つの自由概念」を讀み直すよりも、それが受けた批判に應へた「序論」を讀んだ方が力點が鮮明で面白いやうだ。
 この際、「人間性」などといふ道徳論を振り回す所や、正常でない除外すべき例として何かと狂氣を擧げる所など、現代思想からすれば引っ懸りを感ずる方面は目を瞑ってやるがいい。しかし、歴史家(や社會思想家)の用ゐる言葉に焦點を當てるやり方(pp.10-13,19,41-42.)は、オックスフォード日常言語學派の影響にせよ、言語論的轉回以降の理論に照らしてなほ古びてない。諸思想の相剋から思想問題自體の解消への動きを二十世紀の特徴としてバーリンが述べる時、そこにテクノクラシーやファシズムといった政治思想だけでなく論理實證主義やヴィトゲンシュタインの思考法も含まれ得ることに氣づいてゐたのかどうか。つまり、思想の問題を言語の問題へと解消する方法も、だ。またバーリンが(消極的)自由の名のもとに説く選擇や可能性の問題は、今日の讀者には、アガンベンが論ずる(非の)潛勢力と重ねて考へられよう。そんな想ひ着きは當然、政治思想方面で誰か物してゐるのかしれないが、むしろ歴史認識論において偶然論や可能世界論といった樣相論哲學を展開して貰ひたいものである。……「リアリズム(空想、生活の無知、ユートピア的夢想に対して)と呼ばれるものはまさに、生起したもの(あるいは、生起するかもしれないもの)を、起りえたはずのもの(あるいは、起こりえたもの)の文脈に据え、これと起りえなかったものとを区別する点に存するということ、そして(ルイス・ネーミア卿がかつて示唆されたことがあると思うが)結局のところ歴史の意味はこれに帰するということ」(「歴史の必然性」p.216)。

自由大学雑誌 復刻版(第1巻第1号―第11号)

自由大学研究会 / 1976-09-15刊 / - /
購入: 2015-11-15  /¥500
未読 人文・思想

[投稿日] 2015-11-15

 挾み込み三點、「自由大学雑誌 復刻版 月報」(山野晴雄「解説 自由大学協会の成立」、猪坂直一「自由大学雑誌発行の回想」、「自由大学関係資料目録」)、「「自由大学研究会」会員募集について」、孔版「自由大学研究会 刊行物」。

山野晴雄「自由大学運動の90年-自由大学研究史を回顧して-」大槻宏樹・長島伸一・村田晶子編『自由大学運動の遺産と継承-90周年記念集会の報告-』前野書店、二〇一二年
http://www7b.biglobe.ne.jp/~ningen_ikiru/jiyudaigakuundono90nen.pdf

自然と勞作

三笠書房 / 1934-11-15刊 / - /
購入: 2016-08-26  /¥300
未読 エッセー・随筆

[投稿日] 2016-08-26

目次 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1268911?tocOpened=1
 國會圖書館は書名を「自然・人間及び労作」とし「注記」に「扉等ニハ「自然と労作」トアリ」とするが、函・背文字・標題紙・尾題・奧附すべて「自然と勞作」。目次後の内扉に「自然・人間・及び勞作」とあるのは「世相十年」「藪鶯田舍言海」と同じく部立てなのだが内題と取り違ったか。
 URL http://id.ndl.go.jp/bib/000000752520
 「序」で、風流でない隨筆を唱導するのが白柳秀湖らしいところ。
 卷末に「白柳秀湖著作書目」あり、記號を冠して「※僞版あり」「△甚だしき剽窃本あり」「●匿名にて同名の作述あり」を表はす。

羽陵餘蟫 甲部乙部

龍文書局 / 1946-04-25刊 / ¥25
購入: 2015-10-18  /¥500
未読 本・図書館

[投稿日] 2015-10-18

 裸本。背にのみ活字で「甲部/乙部」と副題が見える。背文字では著者標記「田中慶太郎述」。「蟫」(イン)は紙魚の意。
 高名な古書肆文求堂主人による漢籍解題であるが、目次無いのが不便。

 一九三七年文求堂書店發行・日本古書通信社發賣の初版がサイト『豚の戰爭』「過眼日録抄の文庫」にPDF公開されてゐる。
 http://snob.s1.xrea.com/fumikura/
 この「再版」では、「坿記」を載せた最終ページ(p.215)の右方餘白に、新たに「金陵玄觀志十三卷」につき三行を記し「(本文一九七頁六行目ニ揷入)」とある。つまり隱れた補訂版であった。

編集者余滴

[中島義勝] / 2012-05-10刊 / ¥1,000
購入: 2016-04-30  /¥1000
未読

[投稿日] 2016-04-30

 CiNii・國會圖書館所藏無し。著者地元の中野區立中央圖書館には『岩波新書の歩み 戦時の旧赤版から戦後の青版へ』と共に架藏。
 岩波書店退職二十年後の文集で、全て再録。「最も心残りなのは、雑誌『思想』を出発点に、その後の長い編集経験の中で、京洛の研究者諸氏との交流が大きな比重を占めているにも拘らず、殆んどその記録がないことである。せめて桑原武夫氏を長とした京都大学人文科学研究所の諸氏について“覚え書”なりと記しておきたいとペンを執ったのだが、身心の今の状態から断念するほかなかった」(「あとがき」p.156)。

https://www3.city.tokyo-nakano.lg.jp/tosho/asp/WwShousaiKen.aspx?FCode=1891175