比較史の方法 (1978年) (歴史学叢書)

創文社 / 1978-12刊 / ¥1,080
購入: 2010-12-19  /¥600
讀了: 2010-12-25 古書

[投稿日] 2010-12-19

 アントワーヌ・メイエ『史的言語学における比較の方法』を引いて比較に二種類あると概念分けしたところは、比較文學で論爭になった一般文學(廣義の比較文學)か比較文學(狹義)かといふ問題に相似する。しかし、比較文學はフランスが本場だったといふのに、ブロックは勿論ページ數の半ばを占める譯者解説も參照してない。逆に、比較文學論でメイエやブロックを引いたものも管見に入らない。またブロックが比較二種のうち前者についてフレイザー『金枝篇』を例に出してゐる通り、民俗學・人類學・神話學にとっても他人事ではない筈。カルロ・ギンズブルグ『闇の歴史 サバトの解読』に於るフォークロア的比較法の導入に伴ふ問題點は上村忠男『歴史家と母たち』の特に論ずるところであったが、あれもブロックは引證しても比較文學までは取り上げてない。惟ふに、言語・歴史・文學・民俗・生物學その他多領域に跨がった一般比較方法論が考へられてよい。といふか、誰か書いてゐてもよささうだが……これ以上、比較文學研究史とか調べるのは門外漢には面倒臭い。

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