[投稿日] 2011-04-29
國文學研究史の背景としては使へる。
著者が沼波瓊音が大好きなのはよく解ったが、あまり魅力を感じない。同樣に岩本素白も言はれるほどいいと思はぬのはこちとら散文的な朴念仁だから仕方無いのかしれんが、しかし紹介されてゐる岩本書翰はなかなか讀みたくなる文章なので、全部を收録するといふ『近世日本文学管見』を探すとしよう。それにしても、著者の文章はその敬慕する文筆家たちの影響がまるで感じられず、平易ではあるが可もなく不可もなく、凡庸な文體なのは不思議。ほんの稀に凝った用字が出るくらゐ。福澤諭吉に倣ったわけなのか? 纔かなこだはりであった歴史的假名遣も歿後の新版では現代假名遣ひにされてしまったので、敢へて舊版を探してゐた。
1.kamiyam 【2011-05-07 3:59】 (削除)
私は伊藤の文体は結構好みです。まさに平易かつ凡庸なところがいいなあと。
2.森 【2011-05-07 14:48】 (削除)
いやあ、惡いとも嫌ひとも思ひませんが、特徴の無いものを好むのは難しい。森銑三みたいに、端正なやうでもあからさまに整へた書きぶりだと文體の特徴が掴めるんですが。フランソワ・ジュリアン『無味礼賛』でも讀んだら參考になるかしらん。
目次(新版) http://www.yubun-shoin.co.jp/book/book_detail/4-8421-0007-9.html