[投稿日] 2010-09-11
大掴みな圖式を得るには役立つにしろ、細部に宿る神々を感じさせないのは歴史家としてのセンスを疑はせる。メタヒストリーなるがゆゑに概説になってしまったのかもしれないから、本領の歴史研究を讀んでから評定すべきだらうが、その意味で成田龍一と相通ずるのはわかる氣がする。「あとがき」(p.515)で「近年もっとも親密な「共同謀議者(co-conspirator)」である成田龍一」について「非常に複雑なテーマも明快な三点で説明できる超人的能力は私たちが見習うべきモデルを示してくれた」、って……巧まざる皮肉かね?