[投稿日] 2011-07-08
佐村八郎『國書解題』を難ずる文は本卷『目睹書譚』中「野籟居讀書記」二(pp.69-71.)にて、谷澤永一も再三引く所なれど、これ即ち、湖南は鄭樵「校讎略」における解題法の論(『支那目録學』pp.416-417,「支那の書目に就いて」p.457)を應用せるものなりと覺えたり。『支那目録學』は冒頭に「かの佐村氏の「國書解題」などでも[……]解題の意味をなさぬ」云々と見え、また『支那史學史』「九 宋代に於ける史學の發展」中「七 鄭樵の通志」にも崇文總目の解題の冗を批判せる條を引きつつ「これなどは近頃出来る解題の中にもあてはまるものがあるであらう」(東洋文庫版p.316)と述ぶるは『國書解題』が念頭にありたるものの如し。