[投稿日] 2010-09-11
惡い意味での思想史なのか? 歴史家の思想傾向・イデオロギーの裁斷で以て史學史を敍述したつもりになるのは止してもらひたい。特に、『20世紀日本の歴史学』「I 近代歴史学の成立」で大正・昭和戰前の史學を述べる段(本領である戰後歴史學を扱った「II 現代歴史学の展開」はまだしも役立つのだが)。情報量不足で知識の得られない歴史書なんて讀むに堪へない。思想の前に、もっと知識を! 清原貞雄『増訂日本史學史』(1944)の方が餘程立派だ。
[投稿日] 2010-09-11
惡い意味での思想史なのか? 歴史家の思想傾向・イデオロギーの裁斷で以て史學史を敍述したつもりになるのは止してもらひたい。特に、『20世紀日本の歴史学』「I 近代歴史学の成立」で大正・昭和戰前の史學を述べる段(本領である戰後歴史學を扱った「II 現代歴史学の展開」はまだしも役立つのだが)。情報量不足で知識の得られない歴史書なんて讀むに堪へない。思想の前に、もっと知識を! 清原貞雄『増訂日本史學史』(1944)の方が餘程立派だ。
[投稿日] 2010-09-11
著者の見方からすればもっと嚴しくマイネッケを批判できるはずなのに、何だか遠慮してゐるみたいな。そもそも、歴史研究を國家の現代政治に關はらせなければならぬといふ當爲がどうしてそんなにも強迫觀念であったのやら、そこからして大いに疑問とならうに。これでは概念史とはまるで政治倫理・政治道徳史であるかのやうだ。
[投稿日] 2010-09-11
關心薄い分野ですら學者爺いの昔話を讀んでゐると面白くなってきてしまふのはなぜかしらん。
老人のそれからそれへの想ひ出話につきあふうち、高田早苗の美辭學は三上の代筆だ(p.40)とか、ひょんな一行一句が光って眼に飛び込んでくるのが嬉しい。無論、光を帶びるのは讀み手の照明の當て方次第にせよ。
[投稿日] 2010-09-11
引用文で當時は普通だった用字にまで「ママ」とルビを振るから、若い者の物知らずに見えてしまふ。註を見ると拔かりなく調べてある風なのだが、博搜にも拘らず、「序章」「終章」の問題設定が詰まらないのは取って附けたお體裁だからなのだらうか? 總體に考察や論評が弱く、折角掘り出した素材の旨味を生かせてないやうな。「あとがき」で池田浩士の談と云ふ「オタク精神」(p.455)とは、「精神」である以上、資料漁りの物慾にだけ發揮さるべきものではあるまい。といって超國家主義者たちの「非合理」の情念に共感されても下らない、如何に國家を超えるかなどと下手に眞面目ぶるよりも面白がりの態度を取った方が知的準位を保つことあるべし。次作でひと皮剥けることを期待。個々の事實の細敍については卒讀ではつきあひきれない、後日借り直すか。
[投稿日] 2010-09-11
期待したコゼレックらの概念史・社會史についてはこの本が取り上げた後の時代に屬すゆゑ論及されてなかった。概觀としてはよく調べてあるものの、對立する二項を取り出したところで論が終ってしまふのでもっと突っ込んだ考察が欲しい。これをちゃんと「思想」史とするには、哲學的訓練を經た上で諸概念の歴史的關係の内實を論理に即して考へ詰める作業が要る。
本書刊行以降に發表された關聯論文として下記あり。
▼「ドロイゼンの「史学論」(一八五七)におけるGeschichteの問題 」名古屋大学教養部『紀要 A (人文科学・社会科学)』第23輯 、一九七九年三月
▼「ホイシにおける「歴史主義の危機」の問題 」名古屋大学教養部『紀要 A (人文科学・社会科学)』第25輯 、一九八一年九月
▼「戦間期ヨ-ロッパ歴史思想における「危機」の問題」名古屋大学教養部『紀要 A (人文科学・社会科学)』第30輯 、一九八六年二月
▼「『歴史的基礎概念事典』――〈Geschichte〉の項――」日本大学文理学部『學叢』第43號(昭和62年度)一九八七年十二月「特集 辞書・事典」
[投稿日] 2010-09-11
大掴みな圖式を得るには役立つにしろ、細部に宿る神々を感じさせないのは歴史家としてのセンスを疑はせる。メタヒストリーなるがゆゑに概説になってしまったのかもしれないから、本領の歴史研究を讀んでから評定すべきだらうが、その意味で成田龍一と相通ずるのはわかる氣がする。「あとがき」(p.515)で「近年もっとも親密な「共同謀議者(co-conspirator)」である成田龍一」について「非常に複雑なテーマも明快な三点で説明できる超人的能力は私たちが見習うべきモデルを示してくれた」、って……巧まざる皮肉かね?
[投稿日] 2010-09-09
[投稿日] 2010-09-07
目次 http://www.minervashobo.co.jp/book/b48627.html
[投稿日] 2010-09-07
目次 http://www.minervashobo.co.jp/book/b71753.html
[投稿日] 2010-09-06
[投稿日] 2010-09-05
「うたごえ運動」の關鑑子が關如來(柯公全集編者)の娘だったとは……と、どうでもいい瑣末事を拾って悦ぶのみ。だって記述が淡泊で物足りないんだもの。所詮は詩人の隨筆だからか(←偏見)。
[投稿日] 2010-09-05
目次 http://www.idea-mag.com/jp/publication/b031.php
[投稿日] 2010-09-04
[投稿日] 2010-09-04
[投稿日] 2010-09-04
http://ehescbook.com/shoseki_shousai/souzou.html
[投稿日] 2010-09-04
[投稿日] 2010-09-04
目次 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2941095
[投稿日] 2010-09-04
[投稿日] 2010-09-04
[投稿日] 2010-09-04