月刊島民 中之島 2015年5月号(Vol.82)

月刊島民プレス / 2015-05-01刊 / - /
購入: 2015-05-01  /¥0
未読 本・図書館

[投稿日] 2015-05-01

 16ページのフリー・ペーパー。特輯「中之島図書館はすごかった。」
 インタビュー記事「ココがすごい/本と人 「書を司る」ということ。」中、「ビジネス支援課/司書 小笠原弘之さん」(p.6)の末尾に曰く――「レファレンスでお受けする質問は、確かにより回答が難しいものが多いです。一方で、図書館や司書の質を向上させることにもなる。開架数を増やして自分で見つけ出してもらうのが図書館の醍醐味ですが、利用者の方から質問されると、その分、図書館の蓄積が増えるのでラッキーだと思っています(笑)」。ここに、『図書館は市民と本・情報を結ぶ』(勁草書房、二〇一五年三月)所收の小林昌樹「「参照」してもらうのがレファレンス・サービス――インダイレクトこそサービスの本態」を讀み合はせれば――就中、その「2.2 「高度レファレンス」は課金が必要か?」で他ならぬ大阪府立圖書館が事例であったことに鑑みれば――、なかなかに意味深。

http://www.nakanoshima-univ.com/about/tomin/
http://www.nakanoshima-univ.com/pdf/tomin_vol82.pdf
http://blog.goo.ne.jp/hanul-palam/e/8d762f90c872bd4999571c949de29a8f

讀書雜記

日本評論社 / 1935-10刊 / - /
購入: 2015-04-10  /¥100
未読 人文・思想

[投稿日] 2015-04-10

 表紙右に「經濟往來第十卷第八號(昭和十年八月)所載別刷」と印字す。修正書込み四箇所あり。
 内容は『大塚金之助著作集』でも讀めようが、學術雜誌でない純然たる商業誌への寄稿で拔刷を作らせた例は珍しいので。そんな出版社を困らせる我が儘な所業、柳田國男の「橋姫の話」(『女學世界』一九一八年一月)以外に見たことない。

http://ci.nii.ac.jp/ncid/BA57517531

ぼくの創元社覚え書

龜鳴屋 / 2013-10-10刊 / ¥1,600
購入: 2015-03-27  /¥1943
未読 本・図書館

[投稿日] 2015-03-27

 「限定五四〇部」と奧附刊記にあり。國會圖書館所藏無し。
http://ci.nii.ac.jp/ncid/BB14600914
http://blog.goo.ne.jp/coffeecup0816/d/20131023
http://sumus2013.exblog.jp/20707665/
http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/bunka/list/201311/CK2013112902000225.html

わたしの旅路

ミネルヴァ書房 / 1983-03-24刊 / - /
購入: 2015-01-23  /¥200
未読 本・図書館

[投稿日] 2015-01-23

 ミネルヴァ書房創業社長の回想と旅行記、非賣品。倍以上に増補された一九九八年九月刊の改版は何度か古本で目にして入手濟みだが、この初版は輕裝の所爲か見掛けない。

辞書解題辞典 (1977年)

東京堂出版 / 1977-03刊 / - /
購入: 2014-04-20  /¥500
読中 古書

[投稿日] 2014-04-20

 やっと安値で發見。文藝春秋(?)の資料室廢棄本。必携の基本書ではある、が、期待に滿たない。
 書名五十音順排列で、それ以外の索引が全く無い。折角、專門事典類も多々收めるのに、分類が無いから碌に引き當てられぬ。ファインディング・リストに留まり、未知文獻を檢索するコロケーション機能が無いわけ。
 各項は、大半が即物的で簡略な記述に留まり解題と言ふには物足らない。
 「はしがき」によれば「昭和四四、五年のころ」「編者(惣郷)の手許にあった各種辞書類は約二五〇〇点に過ぎず、その後、ほとんど全国にわたって古書展を巡り、数年間に五〇〇〇点を超えるまでに到った」。數は増えたとて、七年間で二千を超す内容に通曉することを求めるのは無理あるから、解題が掻い撫でになったとて當然かしらぬ。しかし惣郷正明は遂に辭典コレクター止まりで、調べ物をする辭書事典利用者としての見識を備へられなかったのではあるまいかと猜せられる。
 類書の比較は『日本の参考図書 解説総覧』(一九八〇年)を併せ見るべし。逆に、そちらが先に出てゐれば編輯の參考にできたらうに。とはいへ、『日本の参考図書 解説総覧』作成にあたり總記部門に參加中だった深井人詩は、本書「はしがき」で協力者として井門寛・丸山信と共に名が擧がってゐるので、もっと助言できなかったのだらうか――と思ふのも望みすぎか。

出版を学ぶ人のために―出版ジャーナリズム文献綜覧 (1979年)

第一書店出版部 / 1979-02刊 / ¥1,944
購入: 2014-03-08  /¥100
読中 古書

[投稿日] 2014-03-08

 増補新版、「V 補遺」pp.217-258が「出版に関する書誌の部 補遺」として初版以來四年間に刊行された「約六百点」(「増補新版 あとがき」)を加へたもの、但し「昭和五〇年以前」についても六ページ八十六點(pp.217-222)を補ふ。翌一九八〇年に増訂新版を出す。

日英中印刷・出版・情報用語辞典

印刷出版研究所 / 1989-06-20刊 / - /
購入: 2013-10-04  /¥500
読中

[投稿日] 2013-10-04

 約一萬五千語を採録したと稱するから勞作のやうだが、見出しの選定や譯語の對應など色々をかしくて、ツッコミながら讀む珍本といふ意味で渡邊正亥『図書・図書館用語集成I・II』に列ぶ。語釋が無いのは、同じく丁一編著『日中英 印刷関連用語解説』(印刷出版研究所、1988)に讓ったか。

出版文化人物事典: 江戸から近現代・出版人1600人

日外アソシエーツ / 2013-06-21刊 / ¥15,336
購入: 2013-06-21  /¥0
読中 社会・政治

[投稿日] 2013-06-21

 刷ったのは六百部程、増刷三百部豫定と聞いた。
 擔當編輯者による河原努「『出版文化人物事典』における人物調査の方法」(金沢文圃閣『文献継承』23號、二〇一三年十月)も見よ。
http://kanazawa-bumpo-kaku.jimdo.com/%E6%96%87%E7%8C%AE%E7%B6%99%E6%89%BF-20%E5%8F%B7%E8%A8%98%E5%BF%B5/

植田康夫評
http://nichigai.blog.shinobi.jp/Date/20130909/

 『本の雑誌』二〇一五年六月號、坪内祐三の連載日記が「日外アソシエーツの『出版文化人物事典』はもの凄く読みごたえあるよ」と題して取り上げてゐたが、二年近くこの出版を知らないでゐたらしいのは案外だった。中川六平が立項されてないと難を言ふが、二〇一三年九月五日病歿で刊行時には存命中の對象外であったから、的外れ。

http://www.nichigai.co.jp/cgi-bin/nga_search.cgi?KIND=BOOK&ID=A2417

支那学入門書略解 (1945年)

竜文書局 / 1945刊 / - /
購入: 2011-10-09  /¥550
未読 古書

[投稿日] 2011-10-09

 一九四〇年七月初版、一九四五年十月三版。後に新訂補修版一九四八年六月文求堂書店刊ありて『長澤規矩也著作集 第九卷 漢籍解題一』に收む。

目次 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1914605

新たな図書館・図書館史研究―批判的図書館史研究を中心にして

京都図書館情報学研究会 / 2011-08刊 / ¥8,640
ウィッシュ

[投稿日] 2011-08-08

第5章 川崎良孝「ウェイン・A.ウィーガンドと図書館史研究―第4世代の牽引者―」
初出: http://hdl.handle.net/2433/139417
第6章 吉田右子・川崎良孝「クリスティン・ポーリーと図書館史研究:プリント・カルチャー史の研究」
初出: http://ci.nii.ac.jp/naid/110008593806

Cf. 川崎「最近の図書館研究の状況 : 批判的図書館(史)研究を中心として」
 http://hdl.handle.net/2433/71628

http://toshokanshi-w.blogspot.jp/2011/08/blog-post.html

書林の眺望 伝統中国の書物世界

平凡社 / 2006-11-10刊 / ¥4,752
讀了: 2011-07-28 人文・思想

[投稿日] 2011-07-27

 おほむね版本學に屬し、目録學と言へるのは「四部分類の成立」のみ。「編目談余」は目録編纂に版本學の知識が要ることを説くものだし、「『千頃堂書目』と『明史芸文志』稿」も對象は目録書だが研究法は版本學、或いは鈔本(寫本)だから校勘學か。「内藤湖南蔵本『文史校讎通義』記略」も成立過程を探った本文批判。

目次 http://d.hatena.ne.jp/ginzburg/20061112/1163323547

古書通例―中国文献学入門 (東洋文庫)

平凡社 / 2008-06-01刊 / ¥3,132
讀了: 2011-07-23 本・図書館

[投稿日] 2011-07-20

 「一つの手がかりとして、中国の古書を論じる際にしばしば用いられる「形制」という概念を導入し、これを余嘉錫のいう「体例」に対置してみたい。両者はともに書物の内容よりも形式に着眼するものだが、前者が材料、形状、行格、書写方法等、主として技術的な側面を指すのに対し、後者が書名や撰者名、書物の構成や著述の習慣等、より実質的な側面を指すという違いがある。」(内山直樹「解説」p.355)
 本書で古書とは前漢以前に竹簡や絹帛の卷子で傳へられた先秦諸子の古典なので餘りに縁遠く、對象そのものの興味は薄い。中文中國史專門でないと讀んでも仕方無いかも。ただ、書名・著者名・編次その他のあり方即ち「体例」から考證してゆくといふ方法は面白く、幾分かジェラール・ジュネット『スイユ』に通じ、フーコー「作者とは何か」からロジェ・シャルチエ『書物の秩序』が引き取った議論を想はせないでもない。ここに論じられた支那古代の書物と對照することで、蔡倫紙以降の我々の「書物」の既成概念を歴史的に相對化し改めて問ひ直す契機は得られよう。でも、支那人は古を求めるに專らだし、邦人の支那學徒も專門研究に沒頭して一般讀書人に訴へる所無く(『古書通例』の譯者ら然り)、日本や近代の書誌學と繋げるさういふことまでやってくれないんだよなあ……。

https://yujiaxi.wordpress.com/

古文献整理法―和漢古資料組織法

樹村房 / 2010-07刊 / - /
讀了: 2011-07-20

[投稿日] 2011-07-20

 木野主計著。圖書館學が支那目録學をどの程度參照してゐるかと思ったら……ほんの觸りだけか、やはり。一往、司書資格科目の講義で長年教へられてゐたことは判ったが、副題「和漢古資料組織法」のうち漢籍については他の人の擔當だったのを了承を得て攝取した由にて、嚴密には木野の著述でない。結局、目録學は漢籍取扱ひ法としてしか受容されてなく、近代日本に應用する見方は出てないのか。

目次 http://www.jusonbo.co.jp/kikan_shosai/01/kikan_shosai_01_26.html

内藤湖南全集〈第12巻〉

筑摩書房 / 1997-10刊 / ¥8,100
讀了: 2011-07-08

[投稿日] 2011-07-08

 佐村八郎『國書解題』を難ずる文は本卷『目睹書譚』中「野籟居讀書記」二(pp.69-71.)にて、谷澤永一も再三引く所なれど、これ即ち、湖南は鄭樵「校讎略」における解題法の論(『支那目録學』pp.416-417,「支那の書目に就いて」p.457)を應用せるものなりと覺えたり。『支那目録學』は冒頭に「かの佐村氏の「國書解題」などでも[……]解題の意味をなさぬ」云々と見え、また『支那史學史』「九 宋代に於ける史學の發展」中「七 鄭樵の通志」にも崇文總目の解題の冗を批判せる條を引きつつ「これなどは近頃出来る解題の中にもあてはまるものがあるであらう」(東洋文庫版p.316)と述ぶるは『國書解題』が念頭にありたるものの如し。

中国目録学

筑摩書房 / 1991-09刊 / - /
 /¥300
讀了: 2011-06-26 人文・思想

[投稿日] 2011-06-26

 元が世界文學全集月報に連載されたものゆゑ、あっさり目でチト物足らぬ。
 附論中「紙の発明と後漢の学風」が帛書から紙への移り變りと學藝の進展との關係を推考してをり、メディア論としてやや興あり。

目次 http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480836052/

知の座標―中国目録学 (白帝社アジア史選書)

白帝社 / 2003-10刊 / ¥1,728
購入: 2011-07-03  /¥650
讀了: 2011-06-26 人文・思想

[投稿日] 2011-06-26

 四部分類を成立せしめた「史部」が、ポイントになってゐる。川勝義雄『中国人の歴史意識』と併讀すること。著者は觸れてないが、「六經皆史」と斷じた章學誠の『文史通義』につなげられるだらう。つまり、本書と同樣にして新たな支那史學史が書かれることが望ましいが、なぜか目録學關係の著作者は文學研究者ばかりみたいで期待できない。
 井波陵一「六部から四部へ――分類法の変化が意味するもの」(冨谷至編『漢字の中国文化』昭和堂、2009.4)に竝んで補ふ所あり。
 井波陵一編『漢籍目録を読む』(〈東方學資料叢刊〉京都大學人文科學研究所附屬漢字情報研究センター、2004.3)は、内題では副題に「――実習(カード作成・データ入力)のために」とある通り、圖書館司書向け講習用の教本册子に留まり、讀むに及ばない。